『十二国記』を読んでくれ
こんにちは。あーとです。
今回はいつもとはまた違ったタイプのブログになります。
とりあえず本文は続きからです。
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— あーと/良心🍬一旦帰還 (@Lamp_art6210) 2019年11月2日
来た!!ついに!になってしまった
先日、『十二国記』最新作、「白銀の墟 玄の月」(全四巻のうち二巻)が発売されました。
書店でも特集が組まれるほどですが、知らない方も多いのではないでしょうか?
ということで今回は、『十二国記』シリーズについて書いていきたいと思います。
まず『十二国記』ってなんぞ? って話だと思うんで、簡単に紹介しますと(この言葉使うと薄っぺらくなりそうで嫌なんですが、このご時世に合った言葉で言うとするのであれば)、異世界転生です。
ここで敬遠しそうになったあなた、もう少しだけお話に付き合ってくれると助かります。
作者は小野不由美さん、ホラーをよく書かれている作家さんです。
ただ、異世界転生とは書きましたが、こちらの世界から異邦に迷い込んだ人と、異邦からこちらに迷い込んだ人の両方を描いているのがポイントですね。
『十二国記』シリーズ、実は2002年にアニメ化もされているとかなんとか。
あらすじなんかは公式サイトで紹介されているはずなので割愛しますが、ここからは、『十二国記』シリーズに対して僕の感じる魅力を書いていきたいと思います。
まずこれは個人的な話でもあるのですが、僕はこの作品のせいで他の異世界転生モノが読めなくなりました(決して今の異世界転生モノが悪いとかではなく)。
『十二国記』シリーズの舞台は、<十二国>とよばれる異世界です。この世界には妖魔や神獣が存在しており、最高位の神獣である「麒麟」が王を見出し、その王がそれぞれの国を統治します。作品のなかでは、それぞれの国の内情や地理等も詳しく描かれていきます。そんな壮大な世界観の中に、強いリアリティを感じる箇所がいくつもあるのです。言い換えるとするならば、異世界を“違う世界”であると嫌でも認識させられるような、そんなものがある気がするのです。
僕が数年前に読んだシリーズ第一作、「月の影 影の海」で今でも覚えているシーンがありまして、主人公の陽子が異世界である巧国で日本出身の老人に出会ったとき、陽子はのちに語られる理由があって異世界の言葉が理解できるのに、その老人には理解できず、自身で学んだというってところなんですね。
これ、異世界なら日本語が使われてなくて当然だ、っていうのを強く叩きつけられたような気分でした。
それによって生まれるリアリティが、とてつもなく辛かった。実際この辛さは読んでもらわないとわからない気がするので、是非読んでいただきたい。
たぶん僕はこのシーンで、『十二国記』を読み続けることを決めたのでしょう。
そして二つ目。
「月の影 影の海」では、陽子は人間不信に陥ります。
真実の仮面を被った人からの裏切り、生きるために必要な戦いの辛さ、そんなものから陽子の言動はすさんでいきます。
唯一持っている剣は生きるための道具でもありますが、それは陽子自身の悪意をも映し出します。
でもこれは、全ての人間が持っている心の弱さに他ならないと思うのです。
人は弱さから目をそらし、自分を正当化しようとします。それをこの物語は赦さない。
自らの弱さを直視しろと、自らの弱さに向き合えと。
こんな風に人間の内面を描いていくところも、魅力の一つだと思います。
人間の内面の話をすると、『十二国記』シリーズでは、名も無き人々にスポットを当てた物語が多くあります。これも、先程話した異世界のリアリティに繫がるのですが、描かれるのは王とその周辺だけではなく、王の治世によって影響を受ける一般人もなんですよ。
これが、王と麒麟の物語にも厚みを増していく。純粋に凄いと思いました。
ちなみに、ここまでさんざん陽子の話をしてきましたが、『十二国記』シリーズの主人公は陽子だけではありません。
第二作「風の海 迷宮の岸」では泰麒、第五作「図南の翼」では珠昌といったように、多くの国の王や麒麟が登場します。意外なところでつながっていたりもするので、そのつながりも、読んでいて面白いところです。
こんな風に書くと、じゃあどんな順番で読めばいいんですか、ってなりそうなんですが、下記のページと同じ、刊行順で読んでいくのがおすすめですね。
これ、「月の影 影の海」が第一作なんじゃないの? って疑問を抱く方もいると思うのですが、「魔性の子」はepisode0という扱いで、舞台も十二国ではなく蓬莱(日本)となっています。
「魔性の子」は一通り読み終わってから読む、って感じでもいいかと思います。というか実際僕がそうでした。
ちなみに全巻セットもあるっぽいので、気になった方はそちらが一番手っ取り早い気はしますね。
そして、最新作「白銀の墟 玄の月」3,4巻は11月9日発売予定となっています。
最新巻ではどのような物語を見せてくれるのか、僕らはその過酷な道を進んでいくのです。
以上、十二国記シリーズについて少しだけ書かせていただきました。
ということで、全人類『十二国記』を読んでくれ